【はんだ不良】擬似接触/ブリッジ/フラックス残渣 などの発生原因と流出防止のためのハーネス検査

ハーネス不良

ハーネスの加工ミス はんだ不良

D-Sub コネクタなどをはじめ、ケーブル加工にてハンダ付けは多く行われます。
手作業にて行われることが多く、様々なエラーが発生し得ます。
厄介なことに、はんだが飛び散ったことに、作業者様は気付きづらいです。
また擬似接触状態で出荷した場合、フィールドで瞬断エラーが発生し得ます。
特にこの現象は混乱を生み、お客様の信頼にも関わってしまいます。



ケーブル加工のはんだづけの際にはんだが飛び散る ケーブルのはんだづけ不良と電気的エラー例 ケーブル加工のはんだづけは手作業のため抵抗値の差異が生まれる

はんだづけによるエラーの検知

はんだ加工による電気的エラーは、ハーネス検査にて検知が可能です。

配線試験では、短絡や断線、誤配線を検知することが可能です。 はんだ加工が不適切で、ケーブルが外れている、もしくは隣接ピンにはんだがショートしている場合の検知が可能です。はんだによるショートは、ブリッジと呼ばれます。

抵抗試験は、各回路の抵抗値を測定し、判定する試験です。 はんだの量や、熱の過不足による抵抗値影響の確認に有効な試験です。 手作業の加工であるため、作業者様の熟練度によって差が発生します。
配線試験では判定値以下であることを確認しますが、抵抗試験では回路間の抵抗値を測定します。全測定値を、履歴に残すことも可能です。
宇宙航空業界など、高品質な検査では、1Ω以下の差の測定、判定が要求されます。 その場合は4線式低抵抗試験にて実施されています。

耐圧試験は、高電圧を印加し、異なる極への放電現象がないことを判定します。 はんだが飛び散るなど、コネクタ内にはんだカスの混入は発生し得ます。このカスを介して、異なる極への放電がないことを判定します。 また、ブリッジ気味である場合なども同様に、電気的エラーとして検知できる可能性がございます。

絶縁試験は、高電圧を印加し、異なる極との絶縁抵抗が規定値以上かを測定、判定します。フラックス入りのはんだは利便性が高いですが、はんだ同様に飛び散ることがあります。フラックスは吸湿すると、絶縁性が大きく低下し、絶縁不良を引き起こす可能性がございます。

瞬断試験は、振動、衝撃下での瞬間的な断線発生有無を判定する試験です。 静的な状態では導通しているにも関わらず、振動、衝撃下にて瞬間的な断線が発生する不良です。フィールドでの使用状態を想定し、はんだ不良による擬似接触をエラーとして検知できる可能性がございます。 高機能化するデバイスに伴い、様々な業界で需要が高まっている試験です。

コネクタ内部がはんだブリッジ気味であれば放電現象などの不良が発生する ケーブル加工時のはんだフラックスの飛散による絶縁性低下の可能性 ケーブルのはんだづけの擬似接触エラー検知のための瞬断試験

はんだづけによって加工されたハーネスケーブルの検査は、ナックコーポレーションの検査器をご利用ください。
配線試験に加えて、抵抗、耐圧、絶縁、瞬断、試験を実施することで、高品質な製品とすることが可能です。