【ハーネスの不良】 メス端子開き発生と流出防止のハーネス検査

検査・試験の考え方, ハーネス不良

【概要】 メス端子開きの発生と流出防止のためのハーネス検査

本動画では、ハーネスケーブルやワイヤーハーネスの加工ミス、不良の ”メス端子開き”の発生原因や挙動、流出防止策をご紹介いたします。
この不良流出防止には、ハーネス検査の瞬断試験にて振動/衝撃下での導通確認が必要です。
ナックコーポレーションの検査器は瞬間断線試験を搭載しております。
実績のある検査器をエラー検知、品質向上にお役立てくださいませ。

なぜメス端子開きは発生するか?

コネクタ端子の開き不良は手直しやこじり、精度の低いフィクスチャーにて発生する フィクスチャーをずれた状態で嵌合をするとコネクタ端子の破損、不良を発生させる コネクタ端子の誤挿入手直しを行なった際に変形や端子不良を発生させるリスクがある

メス端子の開きは端子の取り扱いや治具嵌合時などに発生します。
狭ピッチ化するコネクタは、強度が低く、繊細です。
意図しないヒューマンエラー(落下やぶつけ)や、
精度の低いフィクスチャーによる嵌合ずれによって、端子にダメージを与えてしまう可能性がございます。

こじりによって端子はダメージを受けます。
誤配線の手直し時など、端子に力を加えて開くため、変形を発生させます。
接触を安定させる端子のバネの効きが弱くなります。
またブザーチェッカーで導通試験を行っている場合も同様で、プローブで無理にタッチを行うと変形します。

端子開きが発生していても導通はする?

端子開きの不良が発生すると、コネクタ嵌合時のバネ性が低下し、接触に不安定となる。瞬間断線試験が発生する可能性。 コネクタのメス端子が不良となっていても、導通しないとは限らない。スタティックな状態では導通することもある。しかし振動下では瞬間断線などの障害が発生する。 瞬間断線試験は振動にさらされる鉄道、二輪車、通信、航空機などの業界において非常に重要

端子の開きが発生していても、金属同士が触れているため、スタティックな状態では導通はしています。
しかし、ハーネス本来の能力を発揮していません。
振動によってその緩みは大きくなり、瞬間的な断線を発生させます。

配線試験を合格し出荷したにもかかわらず、納品先メーカーから不良と言われるケースがあります。
これは瞬間断線の可能性がございます。
例として振動に常に晒される自動車や鉄道、二輪車、航空機ではこのような端子の開きは不具合の原因となります。

端子不良の検知はハーネス検査器の瞬間断線試験が有効

ハーネス検査の工程にてX線を検査の採用はコストやタクトの観点から困難と考えられる。 コネクタ端子の開きによる不良は嵌合力が低下するためハーネス検査の瞬間断線試験で検知が可能 瞬間断線試験を規格に沿って行う場合。例として自動車規格のJASOでは直行する3軸より振動を与えると規定されている

端子開き不良のある製品の流出を防止する試験はなんでしょうか?
X線検査ではハイレベルな装置が必要となります。
量産の検査工程への導入はコスト、タクトの観点から容易ではありません。
実際の振動下での導通を、ハーネス検査器の瞬間断線試験で確認することが最適です。

配線試験などを合格した後、瞬間断線試験を行います。
瞬間断線試験中は人の手やハンマー、振動器などで振動、衝撃を加えます。
また衝撃の方向はJASOにて、直交する3軸の両方向から加えることが規定されています。
規格に準拠する場合はもちろんですが、準拠しない場合も被検査物に合わせて考慮する必要があります。

フィクスチャーでの嵌合では精度や丁寧な操作が必要です。
ブザーチェッカーでのチェックも、人がプローブで端子に直接触れるため、
意図しない変形を起こす可能性がございます。