絶縁試験で梅雨時や雨の日にNGが多くなるのですがどうしてですか?

検査・試験の考え方



ハーネス検査で行われる絶縁検査とは

絶縁検査とは高電圧を印加し、異極導体間の抵抗値が設定以上であるかを検査します。
ハーネス検査について説明した動画にてご確認いただけます。 (例:DC500Vを印加して、異極導体間の抵抗値が100MΩより大きいかを測定)



ハーネス検査とは


絶縁試験は湿度による影響を受けます

絶縁試験では100V~1000Vなどの高い電圧を印加してその時のリーク電流を測定します。リーク電流は絶縁体内部も流れますが、絶縁体表面を通って導体間に流れます。

絶縁体表面が乾燥したきれいな状態ではリーク電流は少なく、湿度が高く汚れているとリーク電流は多く流れる傾向にあります。これは被検査体だけでなく、被検査体と検査器を接続する治具配線も同様に影響を受けます。従いまして湿度が高い季節にこのような現象が多く見られますので、検査室は常に乾燥したコンデションで埃が少ない方が望ましいといえます。


梅雨時・夏季に絶縁試験や自己診断NGが発生した場合の対処法

湿度が原因と考えられる場合は、検査器本体で自己診断を実施してください。
自己診断NGの場合は、検査器本体・検査治具・被検査物を数時間程度、乾燥した環境(湿度50%以下)に放置してください。
*湿度69%の環境にてスパークなどの異常発生する可能性があります。
その後、検査や自己診断を実施いただければ端子や治具の湿度が取り除かれたため、OKとなる可能性が高いです。
変わらずNGとなる場合は、依然として湿度の影響を受けている可能性がございます。
自己診断を実施する際は、湿度の影響範囲を切り分けする為、検査器単体にて実施をお願いいたします。

自己診断実施方法はこちら