配線試験とは何ですか?

検査・試験の考え方

配線試験とは

一般的には「導通検査」と呼んだり、「配線検査」「オープンショート検査」「誤配線検査」と呼んだりしています。
上記はワイヤーハーネス・ケーブルの検査においては同義語です。いずれの検査も短絡 断線 誤配線 余剰回路の検査を行います。


ケーブル・ワイヤーハーネスの導通の判定は一般的に、JIS-C3005「ゴム・プラスティック絶縁電線試験方法」の「4.5導通」の項目に準拠した試験によって行われます。JIS-C3005「4.5導通」には以下のように規定されています。


「50V以下の電源で導体に電流を流しベル、ブザーなどにより断線の有無を調べる。」


ここで注意して頂きたいのは規定されているのは50V以下の電圧だけです。導通と判定する抵抗値や電流値は規定されていません。
一般的にケーブル・ワイヤーハーネスはこの試験方法をデジタル回路やアナログ回路に展開したものになっています。


では導体の抵抗値はというと、同じくJIS-C3005の「4.4導体抵抗」で規定されています。概要は、電線の導体抵抗を20℃時の1kmに換算して試験しなさいとなっています。
この「4.4導体抵抗」の規定をケーブル・ワイヤーハーネスの製造加工工場の量産検査に用いることは現実的ではありません。
なぜかというと、一般的にケーブル・ワイヤーハーネスは、1つの製品に使用される電線の長さがまちまちで電線の種類も複数使用されている場合が多くあります。

また、検査する為に用いるジグ等の導体抵抗をどう減算するかとか、製品に使用されているコネクタの接触抵抗をどう評価するかとか、複雑な試験になってしまいます。

一般的にケーブル・ワイヤーハーネスの製造加工は電線メーカーが保証した電線、コネクタメーカーが保証したコネクタを使用し、端末加工によって製品を作ります。従って、加工した部分の検査をすれば十分という考え方もあります。そういう考え方にたち、特別な要求がなければ導体抵抗の試験を行わない場合が多いようです。



<参考・引用文献>・JIS C 3005「ゴム・プラスチック絶縁電線試験方法」

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